最新情報

INFORMATION

寄与分が発生する場合

寄与分は、どのような場合に認められるのでしょうか。

これには、「特別な寄与」、「被相続人の財産の維持または増加」、「因果関係」の三つが必要です。

1.特別な寄与

民法は、寄与行為の例として、「被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付」や「被相続人の療養看護」などを定めています。労務や金銭を提供したり、療養看護したりすることが、寄与行為に当たります。

しかし、寄与行為が全て寄与分となるかというと、そうではなく、「特別な寄与」と評価しうるものである必要があります。どのような場合に「特別な寄与」と言えるかですが、法定相続分による相続では、不公平になってしまう、と思われるかどうかが一つの判断基準です。

例えば、「療養看護」では、たまにお見舞いに行っていたくらいでは認められず、本来職業付添人を雇うべきところを、相続人が代わりにやっていたこと位が必要と言えるでしょう。

2.被相続人の財産の維持または増加

被相続人の財産が、維持または増加することが必要です。被相続人が精神的に満足したというのは寄与分とはなりません。

3.因果関係

前述の「特別な寄与」によって、被相続人の財産が維持または増加したことが必要です。

なお、寄与の時期には制限がありませんが、争いになった場合には、上記三点を立証する必要があります。

特別受益がある場合

特別受益がある場合の相続分について、
具体例を見てみましょう。

特別受益がある場合の例

被相続人である父が、財産5000万円を残して亡くなった。相続人は子二人(兄と弟)だが、兄だけが、生前に2000万円の自宅建築費用を全額援助してもらっていた。
この場合、まず、遺産の総額はいくらになるでしょうか。

そもそも5000万円しか残っていませんが、2000万円の援助が「特別受益」に当たりますので、それを「持戻す」必要があります。したがって、相続財産は7000万円となります(持戻し計算を行った後の相続財産を、「みなし相続財産」と呼びます)。

次に、みなし相続財産の7000万円を元に、各自の相続分を計算すると、それぞれ3500万円ずつ(相続財産の2分の1)となります。

最後に具体的相続分がいくらになるかというと、兄は既に2000万円をもらっているので、残額の1500万円ということになります。一方で弟は、3500万円そのままの額が相続分ということになります。

従って、特別受益があるため、5000万円を、兄が1500万円、弟が3500万円と分けることになります。

特別受益と寄与分

遺産分割協議を進めていく上で、まとまらない理由の多くを占めるのが、「特別受益」「寄与分」です。

1.特別受益

  • 弟が、生前に、被相続人から1000万円もらっていた
  • 妹が、生前に、被相続人に自宅を建ててもらった
  • 被相続人の口座から、多額の金銭が引き出されている。どうも、被相続人と同居していた兄が使っていたようだ
  • このような場合には、「特別受益」が問題となる場合があります。

    特別受益とは、特定の相続人が、被相続人から生前に受けた、特別の利益のことを言います。

    このような場合には、それを相続財産の前渡しと捉えて、遺産分割を進めることになります。

    2.寄与分

    • 被相続人が亡くなる前、ずっと介護をしていた
    • 被相続人の事業を手伝い、財産の形成を手伝った

    このような場合には、「寄与分」が認められる場合があります。

    寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に、特別の貢献をした者に、法定相続分を超える分の財産を取得させる制度を言います。

    遺留分減殺請求をされた場合

    被相続人から財産を遺贈されたり生前に贈与をうけていた場合に、被相続人の死亡後、その相続人から、遺留分減殺請求を求める通知が届いたらどうすべきでしょうか。

    現実に遺留分を侵害している場合には、原則として、それに応ずる必要があります。

    しかしながら、中には、過大な請求をされているケースも目立ちます。例えば、単純に遺留分の範囲に間違いがあったり、不動産や株式と言った、価値の評価が難しい財産が含まれていることも考えられます。

    遺留分減殺請求をされた場合には、放っておく訳にはいきませんので、まず弁護士に相談して下さい。

    遺留分減殺請求

    • 相続財産を全部他の兄弟に相続させるという遺言が見つかった
    • 被相続人が、亡くなる直前に、配偶者以外の女性に、財産の大半を贈与していた
    • 被相続人が、慈善団体に、全財産を寄付する遺言を残していた

    このような場合には、遺留分の権利を有する者は、遺留分減殺請求を行うことができます。

    1.遺留分減殺請求の対象となる行為

    • 遺贈(遺言によって他人に財産を無償で譲りわたす行為)
    • 贈与(相続の開始一年以内に行われた贈与)

    この他に、当事者双方(被相続人と贈与を受ける者)が、遺留分権利者に損害を加えることを知りながらした贈与については、相続の開始1年前以前のものも対象となります。

    2.遺留分減殺請求権の行使

    遺留分減殺請求権を行使する場合、相手方に対し、遺留分減殺の意思表示を行い、それが相手方に到達した時点で効力を生じます。具体的には、配達証明付き内容証明郵便によるのが一般的です。

    この減殺請求によっても問題が解決しない場合には、家事調停、審判や訴訟を行うことになります。

    3.遺留分減殺請求の時効

    遺留分減殺請求はいつでもできる訳では無く、二種類の時効があります。

    • 相続開始及び遺留分を侵害している遺贈・贈与があることを知った時から1年
    • 相続開始の時から10年

    この期間に遺留分減殺請求を行っておく必要があります。

    4.遺留分減殺請求をした後

    遺留分減殺請求権の行使方法は上に述べたとおりですが、相手方が、すぐにそれに応じてくれることはまれです。その場合には、「遺留分減殺による物件返還請求調停」や審判を、家庭裁判所に申し立てることになります。

    遺留分の減殺請求を行う場合には、配達証明付き内証証明郵便を送付したりする必要があるため、弁護士への相談をお勧めします。