バイクでの交通事故について

バイク乗車中の交通事故は、自動車乗車中とは異なる特徴があります。

乗用車に乗られている場合の交通事故であれば、シートベルトやエアバックなど、事故の衝撃を和らげる対策が施されているため、それによって人身が保護されます。

しかしバイクでの交通事故は、ヘルメットぐらいしか身を守るものが無いため、一度事故に遭うと被害が格段に大きくなることが多いのが、バイクでの交通事故の特徴です。

バイクでの交通事故の場合、自動車と衝突により、十数メートルも飛ばされてしまうケースがあります。

乗用車乗車中の事故であれば、首や腰の捻挫で済むような事故であっても、それがバイク乗車中だと、むち打ちを通り越し、骨折を伴うことが多いです。また、死亡に繋がるケースも少なくありません。

幸い傷が治り、骨折による後遺症が残らなかった場合でも、大きな傷が身体や顔に残ることがあり、醜状障害を抱えてしまうケースもあります。

このようなバイク乗車中の事故は、乗用車での事故に比べ、傷害の程度が重く、入通院ともに長引くケースが多くなり、必然的に賠償金額も高くなる傾向があります。

また、バイク事故の特徴として、比較的若い方がバイクに乗って事故に遭ってしまうことが多く、後遺障害が残った場合の労働能力の喪失期間が長いため、逸失利益が多くなる傾向もあります。

交通事故の後遺障害等級認定や、賠償金は、交通事故の被害者のその後の生活に大きく影響及ぼしてくるものと言えます。

少しでも事故後の生活の負担が軽減できるよう、まずは交通事故に詳しい弁護士にご相談をして頂き、適切な後遺障害等級認定の獲得と、適切な賠償金額を得るためのサポートを受けられることをお勧め致します。

過失相殺とは?

交通事故は加害者一方に全ての過失があって起こるわけではなく、被害者側にも過失があるケースがあります。

過失相殺とは、損害賠償金額を決める際に、加害者側と被害者側の過失の割合に応じて、被害者側の過失を損害賠償金額から差し引いて賠償することをいいます。

交通事故は、事前に予定して起こるものではないため、事故の状況を現実の事故と寸分違わず再現することは不可能です。従って、損害賠償額を決めるに当たって、一つ一つの交通事故で過失割合を正確に算出することは非常に困難なものと言えます。

そこで、損害賠償の金額の算定に当たっては、事故を類型化して過失割合を判断することになります。動いている自動車同士の事故の場合、仮に被害者にはほとんど落ち度がなかったとしても、過失割合がゼロになることはあまりありません。5%、10%といった過失割合が認定されることが多いです。

例えば、昼間、横断歩道のない道路を歩行者が渡っているときに、その道路を直進してくる車と歩行者がぶつかってしまった場合の過失割合は、自動車が80、歩行者が20となります。これに種々の要素を加味して、過失割合を調整していくことになります。

保険会社は過失相殺においても過去の裁判例を元に作成された基本基準を利用し、被害者側の過失を主張して賠償金額を少なくしようとしてきますが、必ずしも保険会社の主張が正しいわけではありません。

当事務所にご相談をして頂きました事例では、下記のようなケースがありました。

ホームセンターの駐車場から出ようとした車が、不注意で、右側から走ってくる車を見逃してしまったためそのまま道路に出て、走ってきた車とぶつかってしまいました。この場合原則的な過失割合は80対20ですが、直進車が速度違反をしていた場合にはそれが70対30又は60対40になります。当事務所に相談してきたのは駐車場から出ようとした車でしたが、保険会社の主張する過失割合とは異なる過失割合が認められることになりました。

当事務所では、交通事故の被害者側の立場で正しい過失割合を計算し、適正な損害賠償を受け取ることができるようにサポートしております。保険会社に過失割合について色々と言われてお悩みの場合、お気軽に当事務所までご相談下さい。

死亡事故の逸失利益

死亡事故の逸失利益とは、交通事故の被害者が、交通事故に遭わずに生きて仕事等をしていれば、将来得られたはずの収入をいいます。

一般的には、67歳まで仕事をしたと考えて、そこから生活費で消費したであろう分などを差し引くことにより、計算します。

例えば30歳の男性サラリーマンの場合、67歳までの残り37年間で得られたであろう収入を合計し、そこから同じ期間に使ったであろう生活費を差し引いて、現在の価値に直したものが、逸失利益となります。

死亡事故による逸失利益の計算方法は、次の通りです。

逸失利益 = 年収 ×(1-生活控除率)×(就労可能年数に対するライプニッツ係数)

1.年収について

死亡事故の逸失利益の計算における年収は、職業によって異なります。

給与所得者…事故前の現実の税込み収入額(本給、諸手当、賞与)
事業所得者…事故前の収入額、または事業収入中に占める本人の寄与分
家事従事者…賃金センサスの女子労働者の全年齢平均賃金
幼児・学生など…男子は男性労働者の全年齢平均賃金。年少女性は、全労働者の全年齢平均賃金。その他の女性労働者の全年齢平均賃金。
無職者…原則として、男子または女子労働者の平均賃金(年齢別または全年齢)です。

ただし、上記はあくまで一般論であり、収入が上がる見込みが高い場合には、それが考慮されることがあります。

2.活費の控除率

死亡により生活費がかからなくなるため,収入から差し引く分のこと。

・一家の支柱:30~40%を収入額より控除
・女子(主婦・独身・幼児を含む):30~40%を収入額より控除
・男子(独身・幼児を含む):50%を収入額より控除

3.就労可能年数に対するライプニッツ係数

原則として、67歳までを就労可能年数としますが、開業医や弁護士など、70歳までとされる場合もあります。およそ55歳以上の高齢者(主婦を含む)については67歳までの年数と平均余命の2分の1のいずれか長期の方を使用します。

また、平成11年11月22日の三地方裁判所(東京・大阪・名古屋)の共同提言により、特段の事情がない限り、年5%の割合で、ライプニッツ方式により中間利息を控除するようになりました。

これは要するに、損害賠償金を一時払いで受け取ると利殖をして利息を得ることができるため、その分を予め差し引いておく、というものです。

例えば就労可能年数が残り20年だったとすると、年収から生活費控除分を差し引いた金額に、単純に20をかければ良いことになりますが、年5%のライプニッツ係数は12.4622ですので、それをかけることになります。これは、年5%の割合での利殖を前提としており、現在の経済情勢を考えると相当に高利率ですが、損害賠償実務上は、5%となっています。

死亡事故の損害賠償

交通事故はある日突然発生するものでありますが、場合によっては皆様の大切なご家族やご友人が交通事故に遭われてお亡くなりになるケースもあり、被害者のご家族やご友人の方の悲しみは計り知れないものがあります。

しかし、被害者が亡くなっている場合、被害者が被った損害は、被害者の遺族が代わりとなって請求するしかありません。

被害者遺族が加害者に請求できる損害賠償は下記の4つの損害賠償になります。

死亡事故の損害賠償の4分類

分類 項目
A 死亡するまでの治療などの損害 救助捜索費、治療関係費、休業損害など
B 葬儀費 戒名、読経料、葬儀社への支払など
C 逸失利益 本人が生きていれば得られたはずの収入
D 慰謝料 被害者および遺族に対する慰謝料

葬儀費

葬儀費は葬儀そのものにかかった費用に加え、49日の法事の費用、仏壇購入費、墓碑建立費が若干認められる場合もあります。葬儀費には上限があり、自賠責保険では60万円までとされていますが、弁護士会の基準では130万円~170万円程度が適切とされています。また、香典返しなどの費用は葬儀費には認められていませんので注意が必要です。

慰謝料

被害者が死亡した場合の慰謝料には、大きく分けて2つの慰謝料があります。1つ目は、被害者本人の慰謝料、2つ目は遺族の慰謝料です。

慰謝料の場合も葬儀費同様に自賠責保険の基準、任意保険の基準、弁護士会の基準によって慰謝料の金額が大きく異なりますので、十分確認しておくことが必要です。

裁判基準による慰謝料の金額

ケース 慰謝料金額
一家の支柱の場合 2,700~3,100万円
一家の支柱に準ずる場合 2,400~2,700万円
その他の場合 2,000~2,400万円

自賠責保険の基準の慰謝料

対象 ケース 慰謝料金額
被害者本人 350万円
被害者の父母、配偶者、子供 遺族が1名の場合 550万円
被害者の父母、配偶者、子供 遺族が2名の場合 650万円
被害者の父母、配偶者、子供 遺族が3名以上の場合 750万円

※死亡者に被扶養者がいる場合には、200万円が加算されます。

任意保険の基準の慰謝料

ケース 慰謝料金額
一家の支柱であった場合 1,450万円
高齢者(65歳以上で一家の支柱でない場合) 1,000万円
18歳未満(有職者を除く) 1,200万円
上記以外(妻・独身男女) 1,300万円

従来の基準に準じている保険会社では、自賠責保険の基準よりも少し高い金額が採用されていることもあります。

※任意保険の統一基準は廃止され、現在各保険会社が独自に支払い基準を作成しています。

各部位の損傷による後遺障害

交通事故遭ったために、上肢や下肢に、骨折や脱臼、筋肉・腱・靱帯の損傷、そして神経の損傷や麻痺という怪我を負う場合があります。そして怪我が完治せず、欠損障害や機能障害、変形障害といった後遺障害を負う場合があります。

障害の内容

欠損障害…身体の一部を失うこと
機能障害…肩・肘・手・膝などの関節の動きに障害を負うこと
変形障害…偽関節(骨折したにもかかわらず、骨が癒合しなくなってしまったもの)を残すものなど

このうち、欠損障害や変形障害は所見が明らかなことが多いですが、機能障害では、その程度が問題になることが多いです。一般には可動域が小さくなるほど(関節が動かなくなるほど)重い障害ということになります。

この場合の後遺障害等級認定で特にポイントとなるものは次の3点です。

①関節の可動域制限
②動揺関節(※)
③固定装具の装着の有無

※動揺関節とは、膝(ひざ)は通常では「伸ばす」と「曲げる」の2方向の動きしかありませんが、左右にも揺れる状態にある関節のことをいいます。

しかし、上記の3ポイントを満たせば直ちに後遺障害の等級認定を受けることができるというものではなく、各要件の度合いによって、後遺障害として認定されるかどうかが変わります。このとき、第三者による客観的な見解が求められますので、それぞれの要件に詳しい専門家による診断が求められます。

当事務所では、適正な後遺障害の等級認定をサポートさせていただくとともに、正しい賠償金の獲得をご支援しています。ぜひ、お気軽にご相談くださいませ。